家庭養護促進協会の実践から 公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所 村山陽一郎さん
2024年 7月13日(土) 13:00~15:00
公益社団法人家庭養護促進協会は保護者による養育が難しくなった子どもたちに里親・養親家庭を探す活動を昭和37年から続けている民間の児童福祉団体で、神戸事務所と大阪事務所の2か所ある(大阪は養子縁組中心)。
2.里親支援事業
3.季節里親・週末里親促進事業
4.活動資金を募るための活動
5.子育て支援事業
6.生活資金・奨学資金貸付事業(高額寄付をもとに)
・半分は行政からの委託金・補助金で、半分の活動資金は会費及び寄付、バザー等による収入である。
・神戸大阪の合計の申込み総数はのべ47512人。里親に迎えられた子どもは2579人。養子縁組をした子どもは1944人。
・2017年に新ビジョンが出されて以降、里親希望者は若干増えている。特に小さい子どものいる方の希望が増えている実感がある。
・協会は実質的に里親支援センターの役割を果たしてきた。民間が里親支援センターを行うことのメリットは、定期的な異動がなく、継続的に支援を行うことが可能になる。児童相談所の場合には人事異動によって、実親との関係が薄くなるデメリットを感じている。実親からの相談や措置決定は児童相談所が行うため、基本的には児童相談所と連携を取りながら進める事が大切になると思う。
・児童相談所とは実親の同意や子どもの家庭背景の情報共有などで連携をとっている。一緒に家庭訪問することもある。
・養育里親委託中に、保護者面会がある場合(保護者が会いたいと言った場合)には立ち会っている。
・養育里親やボランティア里親だけではなく、一部の地域で実施しているショートステイ里親として受けていくことも重要ではないかと思う。
・私たちは、「ボランティア里親」と呼んでいる。昭和50年から開始し、里親登録が必須ではない。季節里親はお正月と夏休みの数日から1週間前後。施設にニーズを毎回確認している。
・児童相談所として養育里親の同意は取れないが、週末里親の同意なら取れるというケースが最近増えている実感がある。
・受付面接でボランティア里親登録。
・その後、候補者を選定し、家庭訪問調査、子どもを含め同居家族との面接(子どもの了解要)。施設によって濃淡あり。
・協会内部の検討会議を経て、担当児童相談所へ推薦手続き(週末里親のみ)を行い、問題なければ交流開始となる。
・事前に面会したうえで、外泊に進む(外出交流を経る場合もあり)。
・同じ子どもとの継続交流をお願いしている。
・基本は施設まで送迎(その際に施設とも情報交換できる)。
・単身の場合は、子育て経験や子どもに関わる仕事の経験、体調不良の場合などを考慮し、協力者が近くにいることを条件としている。
・低年齢の子どもの場合は両親がそろっていることがのぞましい。
・家庭生活体験事業費として、生活諸費1日千円+送迎費。
・協会が契約者となり、個人賠償責任保険対応。
・ボランティア里親であっても、子どもについての十分な情報共有とフォローアップが必要である。
・マッチングで考慮する点としては、実親と生活圏が重ならないこと。
・里親宅の子どもとは年齢が離れていること。
・間取りやペットの有無。
・施設からの送迎は概ね1時間以内。
・養育里親として発展するケース➝多くない、里親登録が必要。子どもの希望も特に多いとは聞いていない。家庭引取となるケースあり(交流は続く)。関係性が途絶えることも少なくない。
・他県などで養育里親の資格を持った方がボランティア里親をされる場合には、ボランティア里親として交流をしながら養育里親として別の子どもを受託する可能性があるかもしれない。養育里親として迎える子どもも大事であるが、ボランティア里親として交流している子どもへの配慮も丁寧にして欲しい。
・ボランティア里親の件で里親会と連携することはほぼない。
・愛の手運動は神戸新聞の月3回のコラム、こどもの顔写真掲載(仮名、アメリカ等で実施されていることを参考に始めた)、養子縁組希望ならその旨、障害児で養育里親希望ならその旨、週末里親希望ならその旨を明記。
・同じ内容を前日のラジオ関西の里親さがしの番組(5分間)でも紹介。協会のSNSからもリンクを貼っている。radikoでも聞けるので聞いてほしい。
・大阪事務所では昭和39年から毎日新聞の日曜日朝刊で実施。
いずれも協会としての広告費はかかっていない。応募のあった方すべてを、その後に協会としてフォローしているわけではなく、直接、児童相談所と関わられているケースが多いと思われる。
・機関紙「はーもにい」を年4回発行(会員、全国の児童養護施設などにも配布)、広報用グッズもいろいろあり。書籍も多数発行。ホームぺージから購入可能。
・ボランティア里親の開拓としては、年に1回、秋に開催。説明会後に受付面接を実施。令和5年は58名の参加あり。Q&Aや体験談のガイドブックあり。
・子どもの日啓発キャンペーンとして神戸新聞全面広告、カラーで表現、協賛社明示。